KBM法律事務所は、建築に関する紛争を数多く取り扱っています。工事代金の未払い、追加工事の精算、工期の遅れ、引渡し後の施工不良の主張。こうした事件を担当していると、争いになる原因がどこにあったか、どうすればよかったのか、という改善策が積み上がっていきます。もちろん、事前にすべてのリスクに手当てができるわけではありません。着工した後に出てきた事情、資材や工程の変化、そして相手方の態度。契約を結んだ時点では見えていなかったことが原因で、紛争になることはあります。
そのうえでKBM法律事務所がお引き受けしているのは、紛争になったときに耐えられる備えを作っておくことと、実際に紛争になったときまで一貫して対応することです。争いになった事案を数多く見てきたからこそ、どこで手を打っておけばよかったのかを具体的にお示しできます。この記事も、その視点で書いています。
契約を結ぶ前の確認
民間の工事では、注文書と請書のやり取りだけで着工することがあります。見積書を出して、口頭で了解をもらい、そのまま現場が動き出すこともあります。建設業法は、請負契約について一定の事項を記載した書面を作り、互いに交付することを求めていますが、実務では簡略にされている例が少なくないように思われます。
弁護士に頼めるのは、その書面が自社にとって不利になっていないかの確認です。ただ、どこを見るべきかは、契約ごとに違います。同じ文言でも、相手が元請か下請か、工事の規模、これまでの取引の経緯、現場の進め方によって、危ないところは入れ替わります。
紛争になった事案を扱っていると、「この一行が入っていなければ」「ここが逆に書かれていれば」という箇所に繰り返し行き当たります。その蓄積を、契約を結ぶ前の段階で使っていただくのが、いちばん無駄のない頼み方だと考えています。
契約前に見ておけば済んだはずのことが、紛争になってから初めて表に出てくる。これが、いちばんもったいない形だと思います。
工事中の記録の残し方
着工した後で最も多いのが、追加工事と変更工事をめぐるご相談です。現場では、口頭やその場のやり取りで指示が飛びます。後になって「頼んでいない」「これは当初の見積りに入っていたはずだ」となったとき、記録がないと、水掛け論になります。
ここで弁護士に頼めるのは、どの書式で、誰から、どのタイミングで残すかを、自社の仕事の流れに合わせて決めることです。すべてを契約書の形にする必要はありません。打合せ記録、日報、メールの一行、現場写真。こうしたものでも、残し方を決めておけば後で使えます。逆に、量ばかり多くて必要なことが書かれていない記録は、集めても役に立ちにくいのが実際のところです。
工事中の記録と、後からの請求については、追加工事代金請求のポイントもご参照ください。契約書がない場合にどう証明していくかについては、契約書がなくとも工事請負契約の立証はできるかもご参照ください。建築分野で扱っている内容の全体は、建築もご参照ください。
取引先への説明の仕方も含めて、ご相談いただけます。どの段階で切り出すか、どういう言い方をするか、社内の誰がどこまで残すか。運用として回る形にしておかないと、決めたこと自体が続きません。そこまで含めてお話しします。
工事代金が支払われないときの回収
どれだけ備えていても、意図せず紛争になってしまうことはあります。相手方の経営状況が変わることもあれば、担当者が代わって、それまでの話が通らなくなることもあります。備えは、そうなったときに持ちこたえるためのものでもあります。
代金の不払いは、どの段階でご相談いただくかで、取りうる手段の幅が変わります。
支払が1回遅れた、期日の変更を申し入れられた、担当者と連絡がつきにくくなった。このような初期的な異変が起きた段階で、いち早くご相談いただくのがベストです。相手にまだ資産が残っている可能性が高く、話し合いでの解決も期待できるためです。
KBM法律事務所が最も力を発揮するのは、この局面です。建築に関する紛争を数多く取り扱ってきましたので、相手方の状況と手元の資料を確認すれば、その事案で現実的に意味のある手段を、早い段階で見極められます。方針が決まれば、速やかに実行します。回収は、動き出すまでの時間がそのまま結果に響く場面があるためです。
あわせて、回収の見込みと、そのためにかかる費用の見込みを最初にお示しします。見込みが乏しい相手に費用をかけて手続を進めても、持ち出しになります。進めるかどうかをお決めいただくための材料を、先にお渡しします。
通知や交渉から、仮差押え、訴訟、強制執行までの進み方については、債権回収もご参照ください。
顧問契約と個別の依頼との違い
ここまでの内容は、個別のご依頼としてもお受けできます。そのうえで、顧問契約という形にすると変わる点が3つあります。
1つ目は、相談する時期が早くなることです。個別の依頼は、費用が発生する分、「まだ弁護士に頼むほどではない」と様子を見てしまいがちです。その様子見の期間に、記録を残す機会や、相手に資産が残っている時期が過ぎていくことがあります。
2つ目は、説明の手間が減ることです。自社の取引先の顔ぶれ、よく使う契約書の形、現場の進め方を前提にお話しできますので、その都度ゼロから説明していただく必要がありません。
3つ目は、相談できるのが経営者だけではなくなることです。追加工事を指示されたその場、書面を出す直前、相手方の様子が変わったとき。判断が要るのは現場です。顧問契約であれば、現場の担当者からも直接ご連絡いただけます。そのつど社内で話を上げてから、というやり方だと、いちばん動きやすいタイミングを逃すことがあります。
なお、顧問契約か個別のご依頼かにかかわらず、建築の現場で使われる言葉で話ができます。元請と下請の関係、施工の段取り、見積りや出来高の考え方、現場で交わされる書類の扱い。設計や施工の細部まで踏み込めるわけではありませんが、基本的な前提の理解はあります。そのため、説明の入り口に余分な時間を使わずに、本題から入れます。
KBM法律事務所は、建築と不動産、そして訴訟・紛争を主に扱っています。備えの段階から、万一そうなったときの対応まで、同じ弁護士が続けてお引き受けします。建築分野で扱っている内容は、建築もご参照ください。
顧問料や、個別にご依頼いただく場合の着手金・報酬金の基準は、料金・相談の流れにまとめています。契約書を1通見ていただきたい、というところからで構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。

